白紙の彼方

All for one, one for all.

おすすめなろう小説の感想を溜めていく記録【連載中 ⑴】

 

こんにちは。最近ブクマが400を超えたから完結済みをカテゴリ移したりして誤魔化してたんですけどもうどうしようもなくなって今はChromeのタブが20個くらいあるなろうオタクです。

人にオススメしたりする時に確認するためのメモみたいなもののつもりですけどもし読みたいなろう小説を探している方がいたらその手助けになればいいかななんて思って書いていきます。

結構前に書いた似た内容の記事を間違って消してしまったので内容はそことかぶる部分もあります。ご了承ください。ちなみにタイトルに連載中ってありますけどここでは「最終更新がここ一年以内で未完結の作品」を対象とします。完結済み編もいつか書きます。

 

  • 異世界迷宮の最深部を目指そう
  • 全肯定奴隷少女:1回10分1000リン
  • ポンコツ・クロニクル 〜過去の世界にタイムスリップしたので、のちの偉人となる英雄少女に恩を売って成り上がる(はずだった)
  • 廃神様と女神様Lv1
  • 勇者が不死身すぎてつらい
  • 私の従僕
  • シャングリラ・フロンティア  〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜
  • 昏き宮殿の死者の王
  • 嘆きの亡霊は引退したい  〜最弱ハンターは英雄の夢を見る〜

 

異世界迷宮の最深部を目指そう

https://ncode.syosetu.com/n0089bk/

異世界に迷い込んだ少年は見覚えのない暗い回廊で目を覚まし、魔物にも人間にも殺されかける。その後、彼は元の世界に帰還する為、迷宮の『最深部』を目指すことになる。世界に優遇された全てを利用し、才能ある仲間たちと共に、少年は『最深部』に向かって進み続ける。――そして、迷宮にて待つ『理を盗むもの』たちの『試練』を乗り越えたとき、『貴方』が理無き世界の真実に辿りつく」

当時中学生だった僕をなろうの沼に引きずりこんだ元凶。ネタバレせずにめちゃくちゃザックリ紹介するなら「ファンタジー色のあるヒューマンドラマ」って感じだけど明らかに言葉不足で読んでみろとしか言えない。ただ「文学」を求めるなら間違いなく読んで後悔しないので是非最終章まで読んでみましょう。最近始まったコミカライズがいい感じにこの作品の空気感を表現できてるのでそっちから入るのもアリ。書籍の出版状況と比べて異様にコンテンツがでかい(コミケで合同誌二回出してる)。Twitterで「いぶそうってどういう作品ですか?」みたいなことを呟いておけばエゴサから飛んできた古今東西のオタク達がFF外から怒涛のプレゼンをしてくれるから他の人の感想を知りたいならそれがオススメ。ちなみにこれは割とガチ。

 

 

全肯定奴隷少女:1回10分1000リン

https://ncode.syosetu.com/n7254ev/

「ここに来る人達はなぁ!!! いつもここで全肯定奴隷少女を買ってるんだよ!!!! わかってんのか!!!! なあ奴隷少女!!!! お前もそう思うだろう!?!!?」
  「まったくもってその通りなのよ!!!!」

主人公が奴隷少女ちゃんに肯定されて励まされながら成長していく話。気付いたらラブコメだった。主人公が告白する作品、実はあんま無い気がしてるのでそれだけで評価が高い。そしてめちゃくちゃ作り込まれた神秘概念のおかげでファンタジーとしての読み応えも非常に良い。個人的に一番好きなのは10話の奴隷少女ちゃんが主人公の悩みを肯定するところなんだけど相手の弱音を受け止めるって「優しい」なぁ…ってなった。展開のテンポもちょうどいいし様々な要素が揃った良作。 

 

 

ポンコツクロニクル 〜過去の世界にタイムスリップしたので、のちの偉人となる英雄少女に恩を売って成り上がる(はずだった)〜

https://ncode.syosetu.com/n2207fq/

大昔に魔法が存在したものの、今ではそれが失われてしまった世界。

 魔法遺物の盗掘を生業とする主人公・アランはある日『大英雄の使っていた魔杖』を発見するが、それと同時に魔法の存在した過去時代にタイムスリップしてしまう。

 元の時代に未練もなかったアランは、魔法時代で財産を築いて成り上がることを志す。
 そのために杖の担い手である大英雄を探し出し、高値で売り捌こうとするが――



 彼が出会った『大英雄』は、とても後の傑物とは思えないほど、無能でポンコツな少女だった。

 この作品はクオリティがどうこうって以上に僕が個人的にめちゃくちゃ好きな主人公だった。隣の女の子を偶像崇拝する捻れたオタクいいぞ!!!!

コメディとしても面白いけどやっぱこの作品の魅力は登場人物。主人公以外も結構いい性格してる奴ら多いし。主人公の一人称視点での心情描写もストーリー展開も会話表現も全部が「好き」なので客観的評価は難しいけど大好きなのでおススメです。

 

 

 廃神様と女神様Lv1

https://ncode.syosetu.com/n2399bo/

 高度演算システムIRIAを積載したVRMMORPG『エルドラドゲートオンライン』――現実の『記憶』を奪い存在を抹消しにかかるデスゲームに現実世界から召還されたロクロータ、キク、赤い竜らの『廃人』達が挑む。
 『レジアン』と呼ばれる現実世界の召還者、『イリア』と呼ばれるNPCパートナー、『悪意』を載せたゲームの思惑、そして、倒すべき『魔王』とは――
 ゲームの謎と現実の謎がクロスし謎が謎を呼ぶ『エルドラドゲートオンライン』の世界を『PKプレイヤー』超外道主人公ロクロータと『パートナーイリア』超不遇ヒロインチュートリアが駆け抜ける。
 ――『廃神様と女神様Lv1』第一部『導入編』終了。※ストレートなギャグ表現とネトゲ的外道行為に耐性の無い方はご遠慮下さい※

あるべきゲーム転移モノの姿の1つ。廃人プレイをしっかり書き込んでるってだけでも頭1つ抜けてるんだけど特に主人公の廃人としてのメンタルの強さとふとした時に顔を出す望郷の念の書き分けがめちゃくちゃ上手い。この2つのギャップ、特に後者の心情描写が心に突き刺さる。もっとも、基本的にはスラングとギャグでゲラゲラ笑える作品。文章の下ネタで笑わせてくるのは本当にギャグセンスが高いと思う。

 

 

勇者が不死身すぎてつらい

https://ncode.syosetu.com/n1643by/

よくある普通の剣と魔法のファンタジー世界にいる魔王に召喚された悪魔さん。勇者が死ぬか100年経つまで魔王に仕えることになったが、当然のように勇者は不死身だったわけで――魔王城にひきこもった魔王と悪魔が不死身の存在を倒す作戦を立てまくる、ぐだぐだファンタジー・コメディ! 
毎週土曜か日曜に更新中!

金髪ロリと黒髪ロングメイドとメガネ巨乳メイドと女学生が頑張る第2部始めちゃった!

 一本筋のストーリーに沿ってゆっくり進んでいく独特のテンポが良い。それにある話で出た話題がちゃんと次に繋がってたりするからストーリー上で足踏みしてる感覚もなくのんびりと読み進める。コメディはとりあえずある程度まで読んでから作風が肌に合うかで判断するのが一番だと思ってるのでとりあえず気になったら読んでみてほしい。

 

私の従僕

https://ncode.syosetu.com/n8801fh/

 俺は公爵家の奴隷に拾われた。捨て子だったらしい。だから俺も奴隷。奴隷というのは働くのが普通で、むしろ働かない奴隷なんていない。なので俺も働いた。休みなく働いた。しかし旦那様はお優しく、俺達のような奴隷にも『自由』な時間をくれるという。他の奴隷が自由な時間を休憩に費やす中、俺はその時間で将来役に立つと言われた勉強をしていると、天使のような子供が現れて、こう聞いてきた。「あなたは誰?」と。だから答えた。「私は従僕です」と。間違いだった。その天使は公爵家のご令嬢で、お貴族様で、悪戯好きで、くそ餓鬼で。何故か気にいられてしまった俺は、そのお嬢様に連れられて王都の学園に行くことになった。

 この作者の一人称視点のリズム感がかなり好きで前作の頃からファンだったのでファンタジーものを書いてくれてめっちゃ嬉しい。特に戦闘シーン、独特の迫力と臨場感がよき。あと序盤に出てくる「よくわかんない謎の力」みたいなのは想像力掻き立てられていいよね…。まだ序盤の方だけど一章あたりの厚みもある程度ある書籍化も決まってるしこの先が非常に楽しみ。時間飛ばして五章くらいまで一気読みしたい。

 

 

シャングリラ・フロンティア  〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 

https://ncode.syosetu.com/n6169dz/

世に100の神ゲーあれば、世に1000のクソゲーが存在する。
バグ、エラー、テクスチャ崩壊、矛盾シナリオ………大衆に忌避と後悔を刻み込むゲームというカテゴリにおける影。
そんなクソゲーをこよなく愛する少年が、ちょっとしたきっかけから大衆が認めた神ゲーに挑む。
それによって少年を中心にゲームも、リアルも変化し始める。だが少年は今日も神ゲーのスペックに恐れおののく。
「エンカ率が常識的とか神ゲーかよ……」

深淵。アニメ化してほしいラノベランキング7位おめでとうございます!(未書籍化)

読む前は「クソゲーじゃこんなの日常茶飯事でしたw」みたいなマウントを取り続けてきそうとか考えてたけど覗いてみたら深淵だった。世界観とか設定がしっかりしてるのであらゆる描写に厚みがあって読み応えが最高。主人公はクソゲー云々以前にプロに片手かかる位にはPS高い狂人位に認識してた方がしっかり状況把握できる気がする。設定深すぎて順番に更新追ってたらいろいろ忘れてるとこがあるのが難点。一章終わる毎に1話から一気読みキメたくなる。早く書籍化しろ。税納めさせてくれ。

 

昏き宮殿の死者の王

https://ncode.syosetu.com/n6621fl/

――死にたくない。自由が欲しい。
そのためならば、僕は――甘んじて『怪物』になろう。

全身に絶え間ない激痛が奔り、衰弱の末死に至る奇病。
それに冒された少年は数年の苦痛の末、絶望を感じる余裕もなく誰にも看取られることなく生を終える。

そして再び目覚めた時――少年は邪悪な死霊魔術師の力により、最下級アンデッド、『死肉人』となっていた。

念願の痛みを感じない身体を手に入れ、歓喜する少年だが、すぐに自分の立場が未だ支配され、病室に軟禁されていた頃と大差ない事に気づく。

ただ平穏を求める少年を、世界は放っておかなかった。

死霊魔術により死体から少年を蘇らせ、エンドと名付け支配せんとする死霊魔術師。
闇に属する者をどこまでも追い詰め、滅する事に命を賭ける終焉騎士団。
多数の魔物を配下に収め、各地に君臨し覇を争う魔王達。

目的は生存と自由。必要な物は力と注意深さ。

これは、自由を求め、時に戦い、時に逃げ出し、時に怯え、時に躊躇う、臆病な死者の王の物語。

この作者さんの作品はカクヨムのも含めてだいたい好き。この人も一人称視点に独特のリズムみたいなものを持ってる気がする。軽めのダークファンタジー。主人公は生存と自由への執着が根っこにへばりついてるからそれが絡むとめちゃくちゃ強硬だけどそれ以外の時のノリの軽さがいい感じの高低差を作ってて物語に緩急をつけてる。それとたまにあとがきで笑ってしまうのが悔しい。あとがきが面白い作品はだいたい本編も面白いの法則。

 

嘆きの亡霊は引退したい  〜最弱ハンターは英雄の夢を見る〜

https://ncode.syosetu.com/n6093en/

世界各地に存在する宝物殿とそこに眠る特殊な力の宿る宝具。富と名誉、そして力。栄光を求め、危険を顧みず宝物殿を探索するトレジャーハンター達が大暴れする時代。
幼馴染達と共に積年の夢であるハンターとなったクライは、最初の探索で六人の中で唯一自分だけ何の才能も持っていないことに気付く。
しかし、それは冒険の始まりに過ぎなかった。
「もう無理。こんな危険な仕事やめたい。ゲロ吐きそう」
「おう、わかった。つまり俺達が強くなってお前の分まで戦えばいいんだな、いいハンデだ」
「安心してね、クライちゃん。ちゃんと私達が守ってあげるから」
「あ、ストップ。そこ踏むと塵一つ残さず消滅しますよ。気をつけて、リーダー?」
強すぎる幼馴染に守られ、後輩や他のハンターからは頼られ、目指すは英雄と強力な宝具。
果たしてクライは円満にハンターをやめる事ができるのか!?

一個上と同じ作者の作品。勘違いモノ。なんか知らないけど敵をやっつけちゃったみたいなタイプじゃなくて周りの人に処理を押し付けるタイプだから本人は普通に弱いやつけど煽るのは異様に上手い。コメディ色が強いので読んでみてくださいとしか言えない。あとコミカライズしてる。そっちもなかなかいい味味出してるのでオススメ。

 

 

 

蛇足

いぶそうとかシャンフロみたいな展開規模に対して異様にファンコンテンツがでかい作品があるのなろうの闇を感じるよね。個人的には今は一括りで「ラノベ」だけどこの先上記2作みたいな作品としての完成度とか文学的な要素で売れるラノベとどっちかっていうと消費される娯楽としての側面の強い均質的なラノベの2つに分岐してくと思ってる。この2つはマジで別物だと思ってるから早く分けてほしい。メディア化とかは後者の方が圧倒的にしやすいから今はそっちが主流だけどきっといつか前者が日の目を見るときが来ることを期待しながらこんな記事を書いてた。

なろうにおける前者のスコップはランキングがあてにならない以上Twitterとかこういうブログのお世話になっているのでそういった人たちの一助となれますように。

 

 

ブクマ漁ってたら思ったよりエタってる作品多かったのでそのうち【更新停止編】を出すかもしれません!!!!一緒に地獄にいこうな!!!!!!!!!!

 

 

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